2023年のAI市場を振り返ろう!
2024年を迎え、新年のご挨拶を申し上げます。
先ず、新年に石川県能登地域で発生した地震、羽田空港で発生した航空機事故と、心の痛む災害や事故が起こりました。被災された皆様や事故に遭われた皆様へ心からお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられた方々とそのご家族、ご親族の皆様に心からの哀悼の意を表します。一刻も早い復興をお祈りしています。
昨年末から、2024年1月のコラム作成のお題は何にしようかと、頭を悩ませていましたが、今年の初夢がなんと「AI」でした!パソコンの画面に「AI」の文字が出ていて、それを見て話しているという風景でした。
ということで、2023年のAI市場を振り返ろう!という内容のコラムを作成をすることにしました。以前にもAIのコラムはありましたが、私自身の勉強のため、そして今回は子供にも分かりやすくということをコンセプトに進めようと思います。AIって聞いたことあるけど、よく分からないなという方に読んでいただき、私と一緒に理解を深めて頂けたらいいなぁと思います。よろしかったらお付き合いくださいませ。
AIの前にまずITとは・・・
まず、我が社のシステムクリエイトと切ってもきれない用語、「IT」について。ITとは、Information Technology(インフォメーション テクノロジー)の略称です。インターネット・パソコン・スマートフォンなど、デジタル技術(情報技術)の総称を指します。
そもそもデジタルとは、連続的な量を段階的に区切り、数字で表すことです。よりわかりやすくいうと、コンピューターの計算結果や計器(物の長さ・重さ・量などを測る機械の総称)の測定値を数字で表すことでもあります。
つまり私たちが触れているITサービスは、内部情報を分析すれば、すべて数字によって表されるものなのです。幅広いデジタル技術が生活やビジネスに落とし込まれ、便利で効率的なサービスとして機能している社会をIT社会と呼びます。
今やITは、私たちの生活に欠かせません。情報収集・経済活動・自己表現・コミュニケーション・インフラ・物流・ニュースなど、ライフスタイルのあらゆるシーンでIT技術が応用されています。
日常でも耳にすることが多いIT用語の一つにAIがあります。
AIとは
AI(エーアイ)とは、IT技術によって創られた人工知能を意味します。AIと聞くとロボットやアンドロイドなどを想像する人もいるかもしれませんが、人型をしていたり、必ず目に見えたりするわけではありません。AIは、人間の知的活動をコンピューターで真似をするIT技術です。
人間の脳には、記憶・判断力・推論力・学習能力などさまざまな役割があります。人間特有の能力は、ただ命令されたことを行うだけのロボットには真似はできません。AIはこれらの能力を真似できるように研究・開発されているIT技術であり、今後のIT社会の変容における中心的な存在です。
AI(人工知能)にはさまざまなメリットやデメリットがありますが、身近な物ではどのような活用事例があるのでしょうか。今回は、2023年のAIの活用トレンドに触れつつ、身近な人工知能の例を調べてみました。9つありますので、お茶でも飲みながらゆっくりしてくださいね。
1【AI x 家電】Siri & アレクサ等のスマートスピーカー
私たちの身近にあるAI家電のひとつが、米Apple社の「Siri(シリ)」や米Amazon社の「Alexa(アレクサ)」のようなスマートスピーカーです。
SiriやAlexaは、自動音声対話のできる音声応答アプリケーションです。この技術は、AI技術の中核である「マシンラーニング(機械学習)」、「自然言語処理(NLP、Natural Language Processingの略)」、「自然言語生成(NLG、Natural Language Generationの略)」によって成り立っています。人間がSiriやAlexaのようなスマートスピーカーに質問や指示をすると、まずはスピーカー自身がその内容を「理解」しようとします。これがNLPです。そして、スピーカー自身が応答を人間のわかる言葉で行います。これがNLGです。SiriやAlexaは、莫大なデータを機械学習を用いて学び、質疑応答を行います。つまり、人々がSiriやAlexaを使えば使うほど、それらのデータを更に学んでよりスマートなAI家電へと成長していきます。
ご自宅にスマートスピーカーがあるよ、携帯にも入っているよという方もいらっしゃると思います。私も自宅と、携帯、車のオーディオに入っているのですがアレクサを呼ばない日は、ないというくらいに大活躍しています。
2【AI x 家電】食材から献立を提案してくれる冷蔵庫
AI搭載の冷蔵庫も、近年トレンドとなっているAIが活用されている家電のひとつです。大手ブランドが様々なAI搭載の冷蔵庫を販売していますが、その中でも有名なものが「シャープ」「三菱」「Panasonic」のAI冷蔵庫です。
※写真はイメージ図です。
システムクリエイトは、三山木電器として家電販売も行っているので、家電製品を少し詳しく紹介したいと思います。
シャープの冷蔵庫は、周辺スーパーの特売品情報の通知や、冷蔵庫の中にある食材を使った献立の提案など、家事を容易化する提案をしてくれます。AIの機械学習を用い、冷蔵庫を使えば使うほどその家族に適した特売品や献立の提案が行われます。
三菱のスマート冷蔵庫には、温度センサー・湿度センサー・霜取りセンサー・室温センサー・扉開閉センサーなど、計16個のセンサーが搭載されています。これらのセンサーがその家庭の生活パターンや冷蔵庫の利用データを学習し、省エネはもちろん、食品の鮮度の維持まで、冷蔵庫の運転を最適化します。
パナソニックのAIエコナビ搭載冷蔵庫では、スマホのアプリを通じてGPSの位置情報と連携し、「お留守番モード」による節電や、「お買い物準備モード」でまとめ買いした食材を効率よく冷やすための運転を自動で行います。冷蔵庫に搭載されたセンサーが、ドアの開閉や収容量を学習し、曜日に沿って最適な節電運転も自動で行われます。
3【AI x 家電】洗い方を自動で判断する洗濯機
冷蔵庫同様、洗濯機にもAIが搭載されている物が増えてきています。その中で有名な「日立」「シャープ」「パナソニック」のAI 洗濯機から、最新のAI機能を見ていきましょう。
※写真はイメージ図です。
日立のAI搭載洗濯機では、搭載されたAIセンサーが洗濯物の量や汚れの量を自動的に判断し、洗い方や洗浄時間などの細かい設定を全ておまかせで行うことが可能です。また、水の高度や水温まで感知し、洗剤量や洗濯時間を最適化することもできます。
シャープの「COCORO WASH」と呼ばれるAIoT洗濯機は、クラウドAIを用いてユーザーの洗濯利用データを分析します。ユーザーの洗濯の好みや頻度を学習することにより、最適な洗濯運転パターンを作成します。また、Amazonで設定をしておくことで、洗剤の量が少なくなった段階で自動的に再注文を行う機能も搭載されています。
パナソニックのAIエコナビが搭載された洗濯機では、あらゆるセンサーを駆使して洗浄・乾燥時の無駄を省いた自動運転が行われます。衣類の量や質だけでなく、水温もセンサーで見極めることにより、節電や時短洗濯が可能となります。
4【AI x 家電】よりパーソナライズされたロボット掃除機
ロボット掃除機は、便利な家電として一般家庭に普及しています。その中でも業界シェア一位を維持するアイロボットの「ルンバ」には、「iRobot Genius ホームインテリジェンス」というAIが搭載されています。
※写真はイメージ図です。
iRobot Genius ホームインテリジェンスが搭載されたロボット掃除機は、AIの機械学習機能を用い、部屋の間取りや特定の家具の場所を自動検出して覚えることが可能になります。また、清掃するたびに配線コードに絡まる場所なども記録し、自動で掃除機の「侵入禁止エリア」を提案することや、地域で花粉やアレルギーが多くなる季節を判断し、清掃頻度の提案も行います。AIが搭載されている掃除機では、よりスマートで柔軟な清掃のコントロールが可能となるのです。
5【AI x 家電】人に合わせて快適な空調を行うエアコン
日常生活に欠かすことのできない空調設備やエアコン家電にも、AI技術が搭載されています。ここでは、「ダイキン」「日立」「三菱」「東芝」の4社におけるAI搭載のエアコンを紹介します。
※写真はイメージ図です。
ダイキンのAI運転搭載「うるさらX」と呼ばれるエアコンは、センサーと記憶学習で動作します。床や壁の温度をセンサーで自動検知し、温度だけでなく湿度もコントロールして自動運転を行います。また、過去の運転内容をエアコン自体が記憶して学習することにより、ユーザーの好みに合わせた自動運転を快適に行います。
日立のAI搭載エアコンには、デジタルカメラにも使われる30万画素CMOSイメージセンサーが埋め込まれています。その画像センサーで得られるあらゆる情報をもとに人を識別し、その人の在室時間から体感温度変化をAIの技術を用いて予測するのです。すると、同室にいる一人ひとりの体感温度に合わせた送風を行い、より快適な運転が可能となります。
三菱のエアコンには、「AI自動運転」が搭載されています。AIのボタンを押すだけで、エアコンが自動で部屋の広さ、その部屋の断熱性や気密性を判断します。そして、部屋の外の気温や室内にいる人の体感温度を推測し、自動運転を行います。AI機能で部屋の変化を先読みすることで、室内にいる人が不快になる前に送風力や温度の自動調整が行われます。
東芝エアコンのAI快適運転では、温冷熱センサーが室内にいる人の体表温度を感知します。そのデータと、室温や風量などの情報をもとに、エアコン自体が人の快適度を判定して自動運転が可能となります。また、学習機能も備え付けているため、過去の使用履歴からユーザーに最適な送風も自動で行われます。
6【AI x 家電】おすすめメニューを提案する電子レンジ
電子レンジという身近な家電にも、AIが活用されています。シャープのAIoT搭載の電子レンジ「ヘルシオ」は、音声対話をもとに電子レンジの設定や献立の相談まで行うことができます。
※写真はイメージ図です。
例えば、「風邪をひいている」と話しかけると、体調が悪い時に食べやすい献立を提案したり、カロリー数を指示するとそのカロリー内でのレシピの提案もできるとても便利な電子レンジです。学習機能も兼ね備えているため、使えば使うほど好みのメニューを提案できるようになります。
ヘルシオは、すでにご家庭で使われている方も多いかもしれませんね。AI機能使いこなしていますか?
7【AI x 小売】完全無人のコンビニ
人材不足やコスト削減、そして感染症の流行も後押しとなり、コンビニ業界でもAIを活用する「無人コンビニ」が注目を集めてきています。
店舗の中には、多数のカメラと赤外線が設置され、商品棚には重量計が設置されています。それらのデータポイントから得られる情報をもとに、AIは「誰が何を棚から取ったか」を正確に判断することができ、客はバーコードのスキャンなどをせずに自分のカバンに商品をそのまま入れることが可能となります。買い物が済んだあとは、出口のタッチパネルで購入品の確認をし、電子マネーやクレジットカードで支払いをするだけです。ユニクロやGUでも、会計が無人化されていますね。
8【AI x 自動車】車の自動運転
日本のトヨタや米国のテスラなど、自動車業界ではテクノロジーをふんだんに使った自動車開発が活発に進んでいます。もちろん、車の自動運転技術の開発にはAIの画像認識や機械学習が活躍しています。
現在は、完全な自動運転のできる自動車はまだ存在しません。しかし、緊急ブレーキなど自動車運転の一部だけをアシストする「運転支援システム」ができる自動運転の車の普及は進んできています。また、ホンダが2021年3月に発売開始をした「レジェンド」は、「トラフィックジャムパイロット」と呼ばれる、渋滞時の自動運転機能を作動させることができます。すると、渋滞時という限定的な条件下ではありますが、全ての運転を機械が行う自動運転が可能となり話題となりました。
しかし、自動車のAI活用は自動運転だけにとどまりません。例えば、AIが得意とする「画像認識技術」を、自動車の製造過程における検査に活用しています。また、本田技術研究所では、車のデザイン設計にもAIのディープラーニング技術の活用を行なっています。
9【AI x カスタマーサポート】コールセンター・チャットボット
カスタマーサポートの業務にも、AIの技術が利用され始めています。ウェブサイト上でよく目にする「チャット機能」に用いられている「チャットボット」が、身近な事例の一つと言えるでしょう。
顧客から寄せられる莫大な量の問い合わせ情報や回答マニュアルをAIに機械学習させることにより、チャットボットが24時間休みなく人間の代わりに答えることが可能となります。また、チャットやコールセンターのオペレーターが顧客の対応をしている際にも、AIがリアルタイムで顧客からの質問を理解し、マニュアルの回答例を自動表示することによりオペレーターの業務を支援することも可能となります。すると、顧客満足度の高いコールセンターやチャットの対応ができるようになるのです。
いかがでしたでしょうか?2023年のAIトレンド9選!でした。
2024年のAIについて少しご紹介。
世界最大級のテクノロジーイベント「CES」が1月9日から(一部のプレイベントは7日から)12日まで、米ラスベガスで開催されました。
2024年、主要テーマの一つに「AI」がありました。
その中に、先程説明した洗濯機や掃除機が一つになった製品がありました。床拭きお掃除ロボットが汚水を、洗濯機と同じ排水溝へ自動で流してくれるという製品です。すでに中国では販売されているということで、日本での発売の可能性もあるのでは?ということです。
その他、2024年は医療業界、自動車業界にもAIの活躍は多くみられそうです。
AI・人工知能が身近な家電やサービスに活用されることにより、生活利便性の向上を期待することができます。その一方、多大なデータをもとに機能するAIには、個人情報漏洩のリスクの増大など、問題点や課題も残ります。
しかし、AIは農業や漁業など、人手不足が叫ばれている分野で大いに活躍する期待も抱かれています。例えば、AI技術を駆使することで、今までは難しかった魚品種の養殖事業の推進や、農園における最適な水やりシステムを用いた「スマート農業」の実現が可能となるのです。
人工知能には課題もある中、少子高齢化で人手不足が重要な問題となっている現代、2024年も今後ますますAIが活用されるシーンは拡大していくことが見込まれるでしょう。
今回はAIたっぷりの内容になりましたが、IT・AIについて、詳しく知っていただくことが出来ましたでしょうか?
AI(人工知能)を作っているのは、今の段階では人間です。AIに苦手意識を持たず、どのような仕組みになっているのかを積極的に勉強したり考えたりできるようになって、使われる側ではなく、使う側を意識して生活していきたいなと思いました。
2024年も弊社とのお付き合い、どうぞよろしくお願いいたします。
Webチーム ari