理想のお客様

こんにちは。WEBプランナーのチヨ子です。今回は「理想のお客様」というテーマでお話してみようと思います。
-価格は高く、納期は長く、簡単な仕事をくれるのが理想のお客様?
-いえいえ、そうではありません。
WEBサイトを作成するときにターゲットを具体化してみる、というお話です。

とある鉄工所の例

最初に、先日WEBサイトのリニューアルをお手伝いしたある鉄工所の例を見てみましょう。この鉄工所は先代から引き継がれたいわゆる2代目社長の小さな町工場で、主に車両や看板の部品を製造されています。「鉄を使うことならなんでもできるで。」と技術に自信はお持ちなのですが、思うように仕事が入らないため、販路拡大の手段としてWEBサイトのリニューアルをしたいとのご要望でした。
まずやるべきことは、リニューアル前のホームページの分析です。「なぜ」仕事が入らないWEBサイトなのか?その原因を探るのです。この鉄工所のホームページは求人サイトの営業マンが来て無料で作ってくれたという物で、会社概要と工場にある機械設備の一覧表、問い合わせフォームというシンプルでよく見かける内容でした。このホームページをリニューアルして販路拡大に結び付けるのが今回の目的です。ここで登場するのが理想のお客様。新しいホームページに来てくれて、そこから注文をくれるお客様は、どんなお客様でしょう。そこを考えるのがWEBプランの第一歩です。
リニューアル前のWEBサイトにおいて想定されている訪問者は設備一覧の型番を見て詳細がわかるような「鉄工所の同業者」や「下請け製造を行う事業者」と考えられます。実際に問い合わせが入るのは海外の工場からの営業ばかりとのことでした。

理想のお客様との出会い方

そこで新しいWEBサイトを訪れる「理想のお客様」を2パターンご提案しました。一つ目は一般の個人消費者です。例えばオリジナルでクッキーの抜き型を作りたいお菓子作りが趣味のママ、卒業制作で鉄板に思い通りの穴をあけたい美大生。そんな個人の要望に応えるオーダーメイドの製作で販路拡大を目指すというご提案。もう一つは鉄とは無関係の会社や店舗。例えば大きな印刷機でお菓子の包装紙を印刷している印刷会社の社長さん、常連さんで賑わうラーメン屋の店長さん。一般家庭よりも鉄を使った機械や什器のある会社や店舗から鉄の加工の依頼を受け、販路拡大を目指すという方向です。
このようなご提案をする中で、クライアントである鉄工所の社長が以前メーカーの機械部品の修理をしていたこと、歪んだり欠けたりした機械の部品を図面がなくてもそっくり同じ形に作ることができる技術があり、そういった依頼を近隣の会社から受けたいと思っていることが分かってきました。

った一人のお客様に響くWEBサイト

ここまで来ればもう理想のお客様の姿は見えたと同然、できるだけ具体的に姿を思い描きます。先ほどの例に挙げた印刷会社の社長さん、年齢は55歳で妻と二人の娘がいて、スマホは仕事の連絡で電話とLINEをよく使う、SNSは見るだけで投稿はほとんどしない、インターネット検索はパソコンですることが多い。会社は20年前に妻と創業し、従業員が2人。経理は妻が担当、創業初期から機械のオペレーションを手伝ってくれている古参社員と数年前に入ったパソコンが得意な若手社員。仕事は順調に入っているが機械に少し不調が見られ、機械メーカーに問い合わせたが部品修理にかなりの費用と日数がかかるとの回答があり迷っている。
-そこである日の昼休みに会社のパソコンで「○○市 機械部品 修理」と検索する-

鉄工所の社長が初回の打ち合わせでおっしゃった「鉄なら何でもできる」という言葉をそのままWEBサイトに載せても販路拡大という目的を達成することはできません。だって機械の部品を修理したいのに「鉄 なんでも」って検索する人はいないですよね。このようにより具体的に「誰がどんな状態で必要とするのか」を考えることが「理想のお客様」を作ることです。

プランナーとクライアントで理想のお客様像を共有できたら、それをデザイナーやライターにも伝え、ターゲットをこの理想のお客様ただ一人に絞って、WEBサイトのデザインや導線、コンテンツ、言葉遣いを整えていきます。
ひとたび公開してしまえば世界中のどこからでもアクセス可能なWEBサイトですが、「誰でも見られる」だけでは「誰も見ない」のです。発信側が誰に何を伝えたいかを明確にすればするほど、WEBサイトの内容も実施すべきSEO対策も明確となり、ターゲットユーザーの求めるWEBサイトに近づいていきます。
御社のビジネスには、理想のお客様が見えていますか。システムクリエイトがたった一人に響くWEBサイト作りをお手伝いします。

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